微生物発酵由来のジヒドロケルセチン誘導体は、ジヒドロケルセチンと比較して、JNK/PI3K/AKT経路制御を介してインスリン抵抗性の改善に優れた効果を示す

Yong Cheng , Junhao Wu, Yueqing Gao, Beijun Ang, Qiuming Chen D, Zhaojun Wang , Maomao Zeng , Fang Qin, Jie Chen , Zhiyong He , Fengfeng Wu
J Agric Food Chem. 2025 Apr 9;73(14):8323-8337. doi: 10.1021/acs.jafc.5c00109. Epub 2025 Mar 28.

[概要(翻訳版)]
インスリン抵抗性(IR)は、インスリン感受性の低下を特徴とする複雑な代謝障害であり、グルコースの取り込み障害と高血糖および糖尿病への潜在的な進行につながる。生活習慣の改善は不可欠であるものの、現在の薬理学的介入には限界があり、治療効果を持つ天然物の必要性が浮き彫りになっている。本研究では、Beauveria bassianaを用いた微生物発酵によって開発された2つの新規ジヒドロケルセチン(DHQ)誘導体、8-ヒドロキシ-ジヒドロケルセチン(H-DHQ)とジヒドロケルセチン-7-O-β-d-(4″-O-メチル)-グルコシド(DHQ-MG)を紹介する。結果は、H-DHQおよびDHQ-MGがDHQと比較してHepG2細胞モデルにおけるIRの緩和を有意に促進することを示しましたが、DHQ-MGとH-DHQの間には有意差は認められなかった。メカニズム解析により、これらの誘導体は炎症、酸化ストレス、および小胞体(ER)ストレスを効果的に軽減し、それによってJNK/PI3K/AKTシグナル伝達経路を活性化してグリコーゲン合成を促進し、糖新生を抑制し、グルコース輸送を刺激することが明らかになった。本研究は、H-DHQおよびDHQ-MGがIR管理のための効果的な天然代替薬としての可能性を浮き彫りにするとともに、この目的で天然フラボノイドを改変する戦略として微生物発酵を応用できるという間接的な証拠も提供している。

[原文:Linked PubMed®]
Microbial Fermentation-Derived Dihydroquercetin Derivatives Exhibit Superior Efficacy in Ameliorating Insulin Resistance via JNK/PI3K/AKT Pathway Regulation Compared to Dihydroquercetin