タキシフォリンの心血管系健康保護効果の探究:包括的レビュー

Hwan-Hee Sim , Ju-Young Ko , Dal-Seong Gong , Dong-Wook Kim , Jung Jin Kim , Han-Kyu Lim , Hyun Jung Kim , Min-Ho Oak 
Int J Mol Sci. 2025 Aug 20;26(16):8051. doi: 10.3390/ijms26168051.

[概要(翻訳版)]

タキシフォリンは、シベリアカラマツ(Larix sibirica)やミルクシスル(Silybum marianum)など、様々な植物に含まれる天然フラボノイドであり、心臓保護効果を含む多面的な薬理作用で注目を集めている。タキシフォリンは、その抗酸化作用および抗炎症作用を通じて、アテローム性動脈硬化症、心筋虚血症、糖尿病性心筋症などの心血管疾患において重要な治療効果を示すことが示されている。本レビューでは、アテローム性動脈硬化症、虚血/再灌流障害、および糖尿病性心筋症の前臨床モデルにおけるタキシフォリンの心保護効果に焦点を当てている。タキシフォリンは、PI3K/AKTやJAK2/STAT3などの経路の調節、NADPH酸化酵素の阻害、一酸化窒素産生の調節など、重要なメカニズムを通じて心保護効果に寄与している。最近の研究では、タキシフォリンがナトリウム-グルコーストランスポーター(SGLT)の発現を調節することでグルコース代謝に影響を及ぼし、SGLT2阻害薬の心保護効果を増強する可能性があることが示されている。心血管疾患の管理におけるSGLT2阻害薬の新たな役割を考慮すると、この経路とタキシフォリンの相互作用をさらに調査することで、新たな治療的知見が得られる可能性がある。タキシフォリンは心血管疾患の予防と治療において多面的な可能性を秘めているが、その作用機序をより深く理解し、様々な病期における有効性を検証するには、さらなる研究が必要である。本レビューは、タキシフォリンをベースとした心血管治療の臨床応用の根拠を示し、今後の研究の方向性を示すことを目的としている。

[原文:Linked MDPI ]

Exploring the Protective Effects of Taxifolin in Cardiovascular Health: A Comprehensive Review