褥瘡創傷修復のための、ペルオキシダーゼ様活性および軽度光熱作用を有するFe3+-タキシフォリンナノザイムを配合した酸化デキストラン/アミノ化ゼラチン注射用ハイドロゲル
Xiaoyu Bi , Wencong Liu , Qiteng Ding , Shuai Zhang , Huiying He , Taojing Yu , Hewei Wei , Junran Yang , Liqian Shen , Zhiqiang Cheng , Chuanbo Ding , Xinglong Liu , Zhongming Han
Int J Biol Macromol. 2025 Aug 8:146715. doi: 10.1016/j.ijbiomac.2025.146715.
[概要(翻訳版)]
褥瘡は慢性疾患の合併症として、現代社会において個人の心身の健康にますます悪影響を及ぼしている。そのため、抗炎症性、抗菌性、そして修復促進性を備えた多機能創傷被覆材の開発が急務となっている。本研究では、アミノ化ゼラチンと酸化デキストランを基質として、注射可能な自己治癒性ハイドロゲルを調製した。ペルオキシダーゼ(POD)活性と軽度の光熱効果を示すFe3+-タキシフォリンナノザイム(Fe3+-TAX NZ)は、金属-ポリフェノール錯体ネットワークを基盤として開発された。in vitro試験の結果、Fe3+-TAX NZは過酸化水素(H2O2)からの•OH生成を触媒し、その光熱効果によって相乗的に強化された活性で、大腸菌と黄色ブドウ球菌の増殖を阻害(阻害率≥98%)すると同時に、体液性環境下でTAXとFe3+をゆっくりと放出することが示された。さらに、このハイドロゲルはマウス線維芽細胞の増殖を促進した。生体内実験において、Fe3+-TAX-NZを担持したハイドロゲルは、創傷治癒を有意に促進し、褥瘡を発症したマウスにおける炎症反応を抑制し、成長関連因子の発現を増強することが示された。したがって、この新規多機能ハイドロゲルは、褥瘡創の治療における新たな戦略を提供すると考えられる。
[原文:Linked PubMed®]
Oxidised dextran/aminated gelatin injectable hydrogel with peroxidase-like and mild photothermal Fe3+-taxifolin nanozymes for repair of pressure ulcer wounds