ジヒドロケルセチンとL-リジンの水溶性組成物の創傷治癒特性に関する知見

Artem A Svotin , Amir Taldaev , Ilya D Nikitin , Maria D Korochkina , Roman P Terekhov , Irina A Selivanova
J Pharm Pharm Sci. 2025 Mar 12:28:13831. doi: 10.3389/jpps.2025.13831. eCollection 2025.

[概要(翻訳版)]
本研究は、天然フラボノイドであるジヒドロケルセチン(DHQ)とL-リジンの組成物を熱傷治療に応用することに焦点を当てている。DHQの創傷治癒作用はよく知られている。本組成物にアミノ酸を添加することで、フラボノイドの水溶性が向上し、スプレー製剤の開発が可能となる。本研究では、雄のウィスターラット60匹を5つの投与群に分け、シーバックオイルを陽性対照群として使用した。投与14日目に、本組成物投与群は創傷治癒において有意な改善を示し、絶対値で他群を9.6±2.0%上回った。 35日目に、本組成物の投与により相対創傷面積が1.9 ± 0.9%と有意に減少した。一方、陰性対照群および陽性対照群では、それぞれ10.7 ± 7.8%および8.4 ± 4.9%であった。同時に、組織学的分析により、本組成物投与群では表皮層と真皮層が明確に区別されていることが確認された。多数のコラーゲン繊維が明瞭に観察され、ケロイド瘢痕形成の活発な過程が観察された。DHQとL-リジンの併用による相加効果が認められた(F = 0.21、p = 0.649)。今後の自然なステップとして、DHQ-L-リジン組成物の剤形開発が挙げられる。

[原文:Linked PubMed®]
Insights in wound healing properties of water-soluble composition of dihydroquercetin and L-lysine