PI3K/AKTおよびMAPKシグナル伝達阻害を伴う細菌性髄膜炎に対するタキシフォリンの治療効果

Xiaoying Yu 1, Yi Lu , Xin Shen , Xiaoxiang Hu , Kaixiang Jia , Weixian Lin , Zhiwei Li , Rendong Fang
Int J Antimicrob Agents. 2025 Aug 23:107601. doi: 10.1016/j.ijantimicag.2025.107601.

[概要(翻訳版)]

背景:細菌性髄膜炎(BM)は、高い死亡率と神経学的後遺症を特徴とする重篤な感染症です。抗菌薬耐性の蔓延により、抗生物質療法は限界に達しており、代替治療法の緊急の必要性が高まっています。天然フラボノイドであるタキシフォリン(TAX)は多様な生理活性を示すものの、骨髄における役割は未だ解明されていない。

目的:本研究では、TAXの骨髄における治療効果を検討し、その分子メカニズムを解明した。

研究デザインと方法:in vitroおよびin vivoのアプローチを用いて、腸管外病原性大腸菌およびStreptococcus suisを用いた骨髄モデルを構築した。TAXの治療効果は、病理学的変化と炎症反応の包括的な解析によって評価した。分子メカニズムは、ネットワーク薬理学、ウェスタンブロッティング、薬物親和性応答性標的安定性アッセイ、細胞温度シフトアッセイなど、複数のアプローチを用いて解析した。

結果:TAXは、in vitroにおいて、ミクログリアおよび脳内皮細胞における細菌誘導性細胞死を有意に阻害し、ミクログリアの炎症反応を軽減し、内皮タイトジャンクションタンパク質を保護した。マウスにおいて、TAXは死亡率を著しく低下させ、組織損傷を軽減し、炎症反応を抑制した。 TAXの保護効果はPI3K/AKTおよびMAPK経路の阻害と関連しており、AKTが直接的な標的であることが確認された。

結論:本研究の結果は、TAXが骨髄腫(BM)治療における潜在的な治療薬であり、その保護効果はPI3K/AKTおよびMAPK経路の阻害と関連していることを示す。これらの結果は、骨髄腫に対するTAXをベースとした介入のさらなる開発の基盤となる。

[原文:Linked PubMed®]
Therapeutic Effect of Taxifolin on Bacterial Meningitis Associated with Inhibition of PI3K/AKT and MAPK Signaling