肝虚血再灌流障害におけるタキシフォリンの酸化ストレスおよびアポトーシスに対する保護効果:動物実験
Hüseyin Bilge , Eda Yildizhan
Ann Surg Treat Res. 2025 Jul;109(1):53-60. doi: 10.4174/astr.2025.109.1.53. Epub 2025 Jul 2.
[概要(翻訳版)]
目的:虚血再灌流(I/R)は、虚血持続時間に依存して細胞および組織に重大な機能障害を引き起こす可能性がある。これまで、この障害に対処するために多くの代替治療法が用いられてきた。本研究では、天然抗酸化物質であるタキシフォリン(Tax)の肝I/R障害に対する保護効果を、生化学的、組織病理学的、および免疫組織化学的パラメータの観点から検討することを目的とした。
方法:本研究で使用したラットは無作為に抽出され、4群に均等に分けられた。グループ1(n = 7)はsham群に生理食塩水1mLを経口投与し、グループ2(n = 7)はTax群、グループ3(n = 7)はI/R群、グループ4(n = 7)はTax + I/R群とした。動物福祉に配慮し、試験全体は全身麻酔下で実施した。血液検体からマロンジアルデヒド(MDA)およびインターロイキン-6(IL-6)を測定した。細胞におけるプロアポトーシス(B細胞リンパ腫2 [Bcl-2] 関連Xタンパク質 [Bax])および抗アポトーシス(Bcl-2)による変化を検討した。
結果:MDAのグレードはTax + I/R群でI/R群と比較して低かった。同様に、IL-6のグレードはTax + I/R群で低く、組織学的検査ではTax + IR群でBaxタンパク質の発現が低く、Tax群でBcl-2タンパク質の発現が高かった。
結論:肝切除/再灌流前にタキシフォリンを投与すると、炎症、酸化ストレス、およびアポトーシス促進性変化に対して好ましい効果が示された。
[原文:Linked PubMed®]